2011年12月03日

PB Best3 in 2011

むろん、ワシが読んだなかで、ちゅうことですが。

ことしはまだあと少しあるけど、たぶんもう読まないだろうから早めに発表で〜す。ことしは洋書に関していえば、前半:絶好調 中盤前期:ややだれて失速 中盤後期:急降下 後半:消息不明 ってかんじですね。何冊読んだか、毎年カウントしてたけどことしは憶えてない(汗)。過去ログみたら15冊。う〜ん。ミステリはあまり読まなかったな。ノンフィクション、自伝の類が多かった。

で。

Best1
"The Coldest Winter" David Halberstam
The Coldest Winter.jpg

朝鮮戦争を描いたハルバースタム最後の作品。かなりの大著(翻訳はぶっとい文庫本上下2冊)で、読むのに3ヶ月かかりました。文章は硬いというか、新聞を読んでるみたい(ノンフィクションだから当たり前だけど)でした。朝鮮戦争そのものの描写より、アメリカと中国の関わりやアメリカ国内の政治情勢の動きのところが面白かったデス。アメリカには中国に対する憧憬の念と軽侮が複雑に交じりわってるってことがよくわかった。どう考えても東アジアの歴史的中心は中国であり、新興国アメリカが最古の文明を誇る国とどうかかわっていくのか。"Yellow Peril"って言葉があって、本来なら中国がその人口からいってターゲットになりそうなものだけど、日本が「憎むべきジャップ」としてそのsubstituteになったという感は否めませんなあ。

でまあ、アメリカ(というかトルーマン)が中国をあきらめた(蒋介石を見捨てた)ことにより共産中国が誕生するわけだけども、そのファーストコンタクトは朝鮮半島の死闘、その後中国は鎖国状態になりニクソン訪中までほぼ断絶。毛沢東の死後、中国は開放路線に舵を切りいまや世界の経済大国であります。ズンドコ状態の西側諸国とこんごどう関わっていくのか、示唆に富む本でありました。アメリカ近代史に興味のある方なら非常に面白いと思う。また、英字新聞なりTIMEとかで中国関連記事を読む上でも知っておいたほうが良い歴史ってかんじですね。ちょっと分厚すぎますが。面白かったので、朝鮮戦争後の中国を描いたノンフィクション、"Mao's Great Famine"を読みかけたけど、こっちは半分で挫折(汗)。

Best2
"Just Kids" Patti Smith
just-kids.jpg

全米図書賞受賞で(日本ではごく一部で)話題になったけど、やはりなかなかよかったです。描写が鮮烈で印象に残る本。ワシ自身はパティ・スミスはほとんど聞いたことがなかったんだけども、なんというか自己の人生を振り返る自伝として、淡々としていながらも想いが伝わってくる作品でした。翻訳は出る、ちゅう話だったけどまだみたいだな。こういうとき、英語で多少なりとも読めるというのは、本読みとしてはめちゃくちゃ得した気分です。

クラプトンやキース・リチャーズの自伝も読んだけど、いちばん聞いてないパティ・スミスのがいちばん印象的だったってことはやはり訴求力をもったよい作品なんでしょうね。70年代の音楽シーンを多少なりともしってるひとには超オススメですな。クラプトンもキースのもそれぞれに面白かったけどね。

Best3
"Star Island" Carl Hiaasen
Star Island by Carl Hiaasen.JPG

3位以下がなかなか思い当たらない。それだけ上の2冊の印象が強烈だったつうことで。で、相変わらずですがカール・ハイアセン。いや、面白いですよ。バックビートなコメディ、この作家は原書で読まないとその面白さはなかなか伝わりにくいんじゃないかと思う。アホなポップスター(リンジー・ローハンあたりがモデル?)の言葉遣いとか。ハイアセンお得意の強烈に個性的な登場人物をして「こいつはretardなんか?」といわしめるアホバカな行動。こういう本をぎゃははと笑いながら読んでると、なんか快楽中枢が刺激されますなあ。ハイアセンってけっこう文章難しいんだけど、あまり気にせずどんどこ読み進めるのが吉でしょうなあ。面白い小説を読みたいヒトにはオススメです。


ほかには"Down River"とかも面白かったかな。Ross McDonaldの"The Wycherly Woman"も、翻訳で読んだときの面白さが甦ってきて、いやさすが巨匠ってかんじでした。Paul Austerの近作はどうも期待はずれが多いような。いまは新聞読むのが精一杯だけど、また小説とか読みたくなったら何を読もうかな〜。それまでは英字新聞を読んで、ちょっとでも「読むこと」から離れないようにせんといかんなあ。
posted by デンスケ at 07:24| Comment(10) | PB | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月18日

Nemesis / Philip Roth

280p、読了。

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字がデカイし、行間もあんまり詰まってない。途中の長い風景描写や心理描写はすっとばす。英語の勉強にはならないかもしれないが、ワシの第一の目標は本を読むことだしな。日本語の小説でも同じで、我慢して読むってことはしない。だいたい読書好きってそんなものでは?と思うのだが、ほかのひとに聞いたことないしな(汗)。まああんまりPB読むぞ!って肩に力入れないのがコツであるように思う。

で。「ネメシス」ってなんやねん、と。なんか聞いたことあるな。「枢軸国」のことか。それはAxisや。阪急沿線にあるスーパーかいな。それは「オアシス」。もと「アローム」ゆうとった伊丹のパン屋かいな。それは「オイシス」や、節子。しかしパン屋が「オイシス」ってベタやな(汗)。

ネメシスは「ギリシア神話に登場する女神。人間が神に働く無礼に対する、神の憤りと罰の擬人化である。」ウィキをそのままコピー。なるほど、なにかの隠喩なんですな。とごく当たり前のことを大層に書いた。

ストーリーは単純で、1943年くらい?健康体で快活な性格ながら弱視ゆえに軍隊に入れず、ニュージャージのNewArkで子供の夏休み中の運動監視員をしている主人公。フィリップ・ロスなんで当然、ユダヤ人の設定であります。7月、夏はポリオが流行する時期。この年は大流行した年で、まだワクチンはできていない。運動場で遊ぶ子供たちがひとり、またひとりと病に倒れる。流行の元凶は子供たちが遊ぶ運動場にあるのでは?とヒステリックに叫ぶ母親。主人公は恋人の誘いもあり、ポリオがはびこる街を離れ、山の中にあるキャンプ場で指導員の職に着く。そこはあたかも天上界のようであり、街の子供たちを見捨てた自責の念にかられつつ、主人公は恋人とともに至福のときを過ごすー。

ここからNemesisという題が示す悲劇が起こっていく。しかしなあ。病によって冒された魂の救済とかが示されるわけでもなく、また文章にユーモアのかけらもない。ロスというと「乳房になった男」とか「素晴しいアメリカ野球」というようなユーモアな満載の小説を書いてるのに、もう40年以上前だからしかたないんかなあ。魂の頽廃で終わる小説はつらいもんがあります。ロスはことし78歳だとかで、この作品は去年出版。前に読んだ”Indignation"も途中で"aborted"された作品っていわれてたけど、なんか緊密なプロットを提示しておいて最後がなんじゃそれ?ではあるなあ。この年齢で旺盛な筆を誇っているのはたいしたもんだけど、それと作品の評価は別ですね。感想おわり。

フィリップ・ロスで最初に読んだの(むろん翻訳)は「さよならコロンバス」で、もうストーリー覚えてないけど、主人公の恋人が最後「愛してるから(避妊具を)使ったのよ!」ってとこは記憶にある。なんでか、ちゅうと、この避妊具は「ペッサリー」で女性に負担の大きいものらしいね。で、作中"Flying Saucer"という俗語が使われてるってのをガッコの若い英語女教師(なんかオッサンがかくとイヤラシイ)から貸してもらった本に書いてあったから憶えてるのだ。コンドームは"French Letter"っていう、とも書いてあった。(いま英辞郎で調べたらちゃんと出てた。)

まあこういうのっていつまでも憶えてるもんだんなあ・・と。しかし正当な英語学習から高校生のときにすでに外れてたような気も(涙)。

いつからPB読んでないかなと見てみたら最後は6/22だった(汗)。4ヶ月ぶりに読了、(いちおう読んでたけど、途中で挫折が多かった。)で、目標の年間20冊は「危しメロンパンナちゃん」である(汗)。
posted by デンスケ at 21:05| Comment(4) | PB | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月22日

The Hanging Tree/Bryan Grueley

314p、読了。なかなか面白かったです。
thehangingtree.jpg

主人公、Gus Carpenterはアメリカ中北部の田舎町、Starvation Lakeのタウン誌記者。デトロイトの大手新聞社で大自動車メーカーの不正をスクープしたが、逆に職を失った過去を持つ。(ちょっと「ドラゴンタトゥー」に設定が似てるな)いまは故郷に都落ちし、子供の頃から親しんでいるアマチュア・ホッケーチームに所属しながら、鬱屈した日々を過ごしている。恋人は戸籍上は結婚している幼馴染の女性警官。と、ここまでは前作までの設定。

町が冬の嵐に襲われた朝、主人公のまたいとこので恋人の無二の親友、Gracieが町外れの大木で縊死しているのが発見された。首吊り自殺に見えたが、なぜそんな夜に、またどうやって?折りしも町は篤志家の寄付により新ホッケーリンクの建設計画に沸いていた。Gusは建設計画に疑問を持ち、記事を書いたがそのことで町の多くから敵意を抱かれている。Gracieの死は、故殺か、また建設計画との関連は・・・?

過去の事件を丹念に洗い直し現在の事件の真相が明らかになるという正統派のハードボイルド、つうんですかね。最後にちょっとしたヒネリがあるんだけど、プロットに無理があるんじゃないかな。ワシとしては無軌道で奔放な女性の哀しい過去ってのをもう少し描いて欲しかった。とちゅう、ちょっとだれたんだけど中盤に転回点を迎えてからは一気に読めました。

著者はジャーナリストってことで文章は丁寧だけど、ストーリー展開にやや難がある気がした。前作の「湖は飢えて煙る」よりは人物が刈り込まれていて読みやすかったですけどね。前作の原題は"Starvation Lake"なんだけど、「博士の異常な愛情」みたいな邦題のつけ方やの〜。前作はポケミスで翻訳されていて、けっこう評判いいみたいだ。

この作品は"A Starvation Lake Mystery"とされてるので、まだまだ続きがありそうだ。設定が1999年とされてるんで、徐々に現在の主人公を描いていく方向に行くのかな。前作を読んでないと設定や人間関係が分かりにくいので興味を持ったひとは前作から読んだほうがいいと思う。まだこの作品で2作目だから、まだまだ楽しめそうであります。と、まあ先物買いみたいなことも本好きの楽しみですね〜。

英文のムズカシさはフツー。固有名詞が説明なく出てくるのでちょっと分かりにくいかな。
これでことし13冊目。快調だけど時間をあせってるんで、読みが荒っぽくなってる気がする。次はAusterの新作かな。それを読み終えたら、さすがに案内士の準備を再開せんとアカンな。


このあいだカフェで読んでたら、電子辞書が壊れた。画面と本体部分をつなぐところが折れたのだ。瞬間接着剤とテープで補修し、事なきを得たがどうも接触が悪くなったらしくディスプレイが表示されない。叩くと点く。昔のTVかい。いちいち鬱陶しいし、寿命かと思い電子辞書見に行ったけどいいのがない。

PBを読むのにはリーダーズくらいがないと学習辞書では対応でけん。このへんを収録してるのは外国語専用モデルになってきて高いし、それはいいとしてもデカくて重い。いまのは小さく軽量で胸ポケットにも入るくらいで重宝していたのだ。気軽に持ち運びできるのが一大長所である。英検に受かるまで問題集や参考書をやらなかったワシとしては、唯一の武器みたいなもんで長年の「戦友」といった気がする。なので引退させてあげて大事にしたいんだけどなあ・・・。

音声機能もないしディスプレイもショボイけどPBを読むには必要十分。ってわけでなにかいいのがないかディスカウントショップあたりで物色中。う〜ん難しそう。
posted by デンスケ at 07:05| Comment(9) | PB | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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