2011年09月04日

武蔵野散策〜鴎外と太宰の墓所

昨日は大荒れの天気で蟄居していたけど、きょうは照らず降らずの絶好の散策日和との予報。
昨日の分も取り戻すべえ、と朝も7時過ぎから張り切ってチャリンコ(研修所備品)に乗って武蔵野散策に繰り出したワシである。

予定は、玉川上水沿いに立川から三鷹まで。少し下って調布の深大寺。三鷹まで約18kmくらいだから、往復40kmってとこですかね。研修所から少し北上し、五日市街道を東へ。昔の街道筋なんだろうな、やたら大木が多い。

五日市街道.JPG

そういやこのへん一帯はトトロの舞台(のモデル)になったとこだ。なんかうなづけるなあ・・。

途中で玉川上水に合流。川というより水路。過保護な阪神間の河川を見なれていると、すごくワイルド。なかなか気持ちいいサイクリングコースなんだけど、途中で自転車道がなくなったりして慌てる。

玉川上水。両脇車道の住宅地である。なんかワイルド。
玉川上水.JPG

いまどきこんな郵便ポスト発見。
郵便ポスト.JPG

一路東へ向かって、やっとこさ三鷹駅前に。まだ9時過ぎ。マックでコーヒー飲んで、近くの「太宰治サロン」へ。まだ10時前で開いてなかった。三鷹は太宰治が戦時中に移り住み、山崎富栄と玉川上水で入水自殺した場所であります。なので「斜陽館」ほど有名ではなくても、太宰関連のモノがたくさん残されている。

太宰旧邸跡.JPG

チャリの斜め後ろへんが太宰治が住んでたとこらしいけど、普通の住宅地。当時を偲ばせるよすがは何もない。ってわけで、太宰の墓所へ。近くの禅林寺ってとこ。

太宰墓所.JPG

斜め向かいが森鴎外の墓。もともと都内にあったのが、関東大震災で改葬されたんだとか。太宰はこんなところで眠ってみたいと書いたので願いが叶えられたのだ。

ワシは別に太宰治の熱心なファンというわけでもない。ただ、高校時代の国語の先生が「ぼかぁ、太宰と酒、呑みましてねえ」っていってて、どういうこっちゃいと思ってたら太宰の墓の前で酒を呑んだってことらしかった。なんかそのことが印象に残っていたのだ。太宰の墓の前では「オリンポスの果実」という恋愛小説を書いた田中英光が服毒自殺している。こういった心的機制はワシにはよくワカランが、ファン心理といったものなんだろう。

森林太郎墓(森鴎外墓所)
森鴎外墓所2.JPG

森鴎外もなかなか面白い人である。軍医として最高の陸軍軍医総監まで上り詰めながら、「石見人、森林太郎として」永遠の眠りにつきたいとのことで「森林太郎墓」となんともそっけない墓所である。ふと、森茉莉(鴎外の長女。小説家)もここに葬られてるのかと思った。(調べてみたらそのようである。)

墓所から戻り、「太宰治サロン」へ。外から中がわからなかったのだけど、小さい。でも3人もスタッフがいて、お年寄りの方がワシを太宰ファンと思ったのかいろいろ解説してくれる。まあこんなとこまで来るくらいだから、ファンの端くれではあろうけど特に思い入れはない。なんかすっと出にくい雰囲気があってしかたなく「三鷹ゆかりの文学者たち」という本(500円)を買った。

で、太宰治が入水したと思われる場所へ。

太宰入水の地.JPG

なんの説明もなく、太宰の故郷青森県金木町から送られた石が置いてあるだけ。太宰と心中したのは山崎富栄という女性である。結婚後数日で夫が出征、そのまま未亡人となった彼女は太宰と三鷹の駅前のうどん屋で知り合う。「死ぬ気で恋愛してみないか」とくどかれた彼女はまもなく男女の仲へ。

山崎富栄。きれいな女性だ。
山崎富栄.jpg

太宰を死に追いやった女性として評判が悪く、実際「山崎富栄のような頭の悪い女性にひっかかって」と書いてある太宰の評伝を読んだことがあるが、これは太宰ファンのひいきの引き倒しだろう。慶応大学に学んだこともある、美容師の草分け的存在である。ただ、相当に思い詰める性格だったらしく、その日記の
「戦闘開始! 覚悟をしなければならない。私は先生を敬愛する」
「太宰さんが生きてゐる間は私も生きます。でもあの人は死ぬんですもの」
「修治さんはお弱いかたなので 貴女やわたしやその他の人達にまでおつくし出来ないのです わたしは修治さんが、好きなので ご一緒に死にます」
を読んでいるとなんとなく伺える気がする。

しかし、彼女の遺書は切ない。
「私ばかり幸せな死にかたをしてすみません。
奥名(※4年前に戦場で行方不明。新婚生活は12日間しかなかった)と少し長い生活ができて、愛情でも増えてきましたらこんな結果ともならずにすんだかもわかりません。
山崎の姓に返ってから(※まだ奥名籍だった)死にたいと願っていましたが・・・
骨は本当は太宰さんのお隣りにでも入れて頂ければ本望なのですけれど、それは余りにも虫のよい願いだと知っております」

山崎富栄は太宰のお隣に葬られることはなかった。ワシは太宰についてはさほどなにも思わないけど、この女性の最後の願いが叶えられなかったことはなんか来るものがあるな。ちょっと怖いけど、ワシは女性を惹き付ける何かはないので安心である(涙)。

このあと深大寺にいったけど、エエ加減長くなったのでまたこんど。
posted by デンスケ at 19:30| Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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