2011年08月04日

アメリカ的思想の源流(か?)

先般のアメリカの債務上限引上問題について、下院で多数を占める共和党、そのなかの「ティーパーティー」がまたクローズアップされてた。その中心があのサラ・ペイリンだとか。ヨソサマの国のことをあれこれいうのもなんだけど、あれはアカンやろ(笑)。

英検の勉強してるとき、ちょうど2008の大統領戦のさなかだった。老政治家、マケインがパートナーに選んだのがペイリン。共和党にあって、"Maverick"と呼ばれた異端派が選挙に勝つために恥も外聞もなく選んだと批判されてたけど、案の定アイタタでしたね。

マケインはベトナム戦争中に捕虜となり拷問の結果腕が上がらない身体になったにもかかわらずベトナムとの国交樹立に積極的であったり、暴走する聴衆(オバマのことを「彼は・・・彼は」という白人女性)をさえぎって「彼は立派な人間です」と諌めたところなど、信念のある政治家だと思ったのですが、compromiseって奴ですかね。

ま、それはともかくティーパーティー派の理論的支柱のひとつになってるのが、アイン・ランド(Ayn Rand)って女性小説家の作品らしい。以前、ランダムハウス社が選んだ「20世紀の小説ベスト100」ということについて記事を書いたことがあった。これの一般読者部門、第1位「肩をすくめるアトラス」の作者がこのひとである。どんな本かは以下のリンクで。

「洋書ファンクラブ」の主宰者、渡辺由佳里さんがamazonでカスタマーレビューを寄せていて、「思想の左右は別として、アメリカ人と触れる機会のある人は読む価値があると私は思う」と書いてらっしゃる。ふむふむ。アメリカ人と触れ合う機会はないけど、ちょっと興味あるな。

さらに調べてみると、山形浩生氏が書評を書いていて、これが抜群に笑える。悪口上手いわ〜(笑)。

本当なら、読んでみて自分の感想を書くのがフェアだろうけどなんせ1200pもある大作である。しかも、「一般読者部門」では1位でも、「評論家部門」では黙殺されている。要は、思想としては面白くても小説としては箸にも棒にもかからん、つうとこなんでしょうね。ワシはクソ面白くもない小説を読んでるほどヒマではないのでちょっと読む気にはなれんな。

なんせ恋人の心変わりに遭遇した男性が、奪った男性が自分より優れているから祝福を送るっていう場面があるらしい。そんなあっさりしたもんなんか。そこの苦悩や嫉妬、それを超えて行く過程を描くのが文学だと思うのだけど。アイン・ランド自身は崇拝者であった年下の愛人の心変わりに遭遇、激怒して「破門」なんてことをやったらしいけどさ(笑)。

しかしですよ。これが年間15万部も売れていて、なおかつ「ティーパーティー」の理論的論拠のひとつってのは怖くありませんか。まあ、カルトなんでしょうねえ。読書家には一顧だにされず、生硬な議論を好むひとに好かれるんだろうな。「読書が好きな子はカルトにひっかかりにくい」ってウソかホンマかわからんテーゼがあるけど、なんとなくこの本が証明してる気がするな・・・。

「無邪気さは狂気の一種だ」(グレアム・グリーン:「おとなしいアメリカ人」)
posted by デンスケ at 22:32| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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