2011年03月08日

わが才能をもってすれば・・・

おととい、夕方から将棋の棋王戦第3局のネット中継を見てたのだけど、面白かったにゃ〜。
久保棋王-渡辺竜王(挑戦者)の組み合わせ。久保棋王の勝ち。5番勝負、2−1で防衛に王手。

将棋のタイトルは7つもあってややこしいんだけど、すべて新聞社がスポンサー。竜王(読売)、棋聖(産経)といった具合だけど、早い話、読売名人とか産経名人ということです。ただ、「名人」戦(朝日、毎日共催)というのがあるのでその名称を使わないだけ。で、棋王というのは新潟日日とか共同通信社系ローカル紙後援です。(北海道、中日、神戸というメジャー系ローカル紙は「王位」ってのをやってる。)

将棋は競技人口の減少とプロ棋戦の後援者の新聞社の売上減少でこのままじゃヤバイ、ってのが関係者の共通認識であります。新聞社にとっては棋戦は商品(スポーツ面の下に載ってますよね)であるとともに、日本文化の奨励という大義名分があるんだけど、もう優雅にタニマチやってられる局面でもないってとこまで来ている。

英字新聞はいってみれば新聞社のプライドでやってる(ぜったい儲からないらしい)もんらしいけど、毎日が撤退して朝日も撤退、日本の新聞社で残りは読売だけ。あとはそれ専門のJapanTimes。それと似たようなことが起こり、将棋もいつ契約を打ち切られるか。のんびりしていた昔と違い、いまどき毎日将棋欄を読んでるヒマ人がどんだけいるか、ですかね。web中継やったりしてサービスと周知に努めてるけど、そうすると紙面に載る棋譜の価値が下がるという、まさに"The Catch-22 Situation"であります。

囲碁みたいに海外に普及を図るっつうっても、将棋族は各国にそれぞれの将棋(チェスとか中国象棋とか)があるのでなかなか難しいのだ。と、通訳ガイド2次試験的日本文化の知識みたいなことを。

で、ワシの棋力であるけど、初段だ。英検は1級、簿記とスキーは2級なので将棋がいちばん上(笑)?

昔の漫才だったかのネタで、「空手初段やぞ・・・通信教育やけど」つうのがあったけどワシの段位はまさしくそれで、将棋雑誌に載ってる問題を解いて応募し、一定の点数になったら免状出しますってので取ったのでめちゃくちゃ弱い。話にならん。ふつう強い人と指して強くなっていくもんだけど、ワシの場合は誰も周りにいなかったので、本で覚えた将棋なのだ。

英語が喋れない英検1級やらTOEIC900とかよく聞く(というかワシがそのもの)けど、似たようなもんですね。実戦経験がない。しかし英語も将棋も釣書に見合わないとかいうのはトホホ、であります。

もっとも将棋の段位というのはさいきんアテにならなくなってきて、「将棋クラブ24」というサイトでのレーティングが幅を利かせてる。インターネットで不特定と対戦するのだけれど、これの勝ち負けでレーティング付けされるのだ。英検とかTOEICもそんな形にならんかなと考えたりするのだけど、ズルし放題なので難しいだろな。


しかし弱っちい棋力であっても、トッププロの妙技が分かるくらいではあるので楽しい。プロの将棋って全部の駒が躍動することが多くて(逆にできないと勝てない)、こんな風に指すんや〜と感心する。話のうまい人がちょっと匂わせておいた伏線をオチにするみたいに、全体の構成が考えられてるんですね。

将棋の強い弱いが頭のデキに関係あるかどうかは知らないけど、プロを目指すくらいの子は間違いなく頭がいい。東大法学部在学中にプロになった若手棋士とか(厳密にいえばプロ棋士を目指す途中で東大に入ったというほうが正確)、プロ棋士になれなくて「俺はこんな非生産的なことはもうやめじゃ!!」とタンカを切って神戸大の医学部に入った子とか。

17世名人の谷川九段(お兄さんは灘高〜東大でアマ強豪)は兄と同じく灘高に進学しようとしたら「ここは東大に行く子が来る学校です」とやんわり断られたらしい。谷川九段は中学生ですでにプロ棋士で、将来の名人候補といわれていたのだ。(事実、21歳で名人になった。)中学生なのに給料貰ってた。すげーな。

囲碁だけど、昨年碁聖のタイトル取った坂井秀至つうひとは灘高〜京大医学部出卒、インターン勤務直前にプロに転向したつう経歴で、なんかこういう人たちってどういう頭脳してるのかな?と思ってしまう。

そういうとんでもない人の集まりだから、将棋界の逸話とかは面白いのが多い。

病弱な身体でトップクラスに駆け上がるも29歳で病没した村山聖九段はドラマになった(「聖の青春」)ので知ってる人も多いかもしれない。村山九段は1998年夏に亡くなったんだけど、その直前、春のNHK杯決勝(日曜の朝にやってるやつです)を羽生三冠と戦い、必勝の将棋を落とした。解説者が「これは指さないでしょう」と冗談でいった手を指してすぐに投了したんだけど、解説と聞き手が凍ってたのをよく憶えている。うがった見方では、優勝者は翌年の番組のタイトルロールに毎週登場するので、自分の残り日数を悟っていた村山はわざと指したんじゃないかといわれたりしてた。それくらいの差を最強棋士羽生につけていた一局だった。



楽しい「生ける伝説」なのは加藤一二三九段でしょうね。どう変なのかは動画を見てもらえればわかるけど、この人は大棋士である。なんといっても史上初の「1000敗」棋士なのだ。(勝ち数はもっと多い。)勝てなきゃ対局数は増えないからね。偉大な記録だ。

(苦境に陥ったとき)「わが才能をもってすればなんとかなるはずだ」

格好いいですねえ。ワシもショボショボな才能であってもなんとかなると信じたいもんだ。
posted by デンスケ at 07:16| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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